【再】地方自治法を巡って橋下知事と激論(大阪府 平成20年  9月 定例会本会議)

単に近況報告だけではなく、今日までの30年間の活動内容を皆さんに知って頂きたく、その一部を抜粋掲載します。

国の行政機関または都道府県の機関が行った助言等に従わなかった地方公共団体に対する不利益な取り扱いを禁じる地方自治法第二百四十七条第三項の規定をどのように解しているのか、総務部長にお伺いいたします。

地方自治法第二百四十七条第三項の規定でございますが、市町村が都道府県の職員の助言等に従って事務を処理しなければならない法律上の義務はございませんことから、都道府県の職員が助言等に従わなかったことを理由に、市町村に対して不利益な取り扱いをしてはならないことを職務上の義務として規定をしたものと理解いたしております。
 したがいまして、助言等に携わる都道府県の職員が、従わなかった市町村に対して、助言等を受ける以前は得られていた利益を損ねたり、あるいはそれまでこうむっていなかった不利益を与えるようなことを制裁的な意図をもって行った場合には、不利益な取り扱いに当たるというようにされているところでございます。

知事は、当初、学力テスト結果の非公表団体に、三十五人学級の予算を削減すると発言されました。実際には、制度的にはできないことと思われますけれども、仮に職務命令を受けて職員が行えば、この行為は地方自治法第二百四十七条第三項の不利益な取り扱いに当たると考えますが、総務部長、いかがですか。

先日、府教育委員会が市町村教育委員会に対して、全国学力・学習状況調査の結果公表を要請いたしましたが、これは地方自治法第二百四十七条第三項の助言等に当たるものであると理解をいたしております。総務省の担当者にも確認をしたところによりますと、仮に助言等に携わった教育委員会の職員が、全国学力・学習状況調査の結果の非公表のみを理由として、制裁的な意図をもって市町村への予算配分を削減するということになりますと、この不利益な取り扱いに当たるおそれがあるということでございます。

ただいま総務部長から、私が今指摘しました事柄につきまして、不利益な取り扱いに当たるおそれがあるということであると、こう答弁されましたので、関連いたしまして知事にお伺いいたします。
 知事は、府が年間三十億円を負担して維持する三十五人学級編制について、非公表の教委には来年度予算をつけない意向を示し、また公表するかどうかで補助に差をつけなければならないなどと発言されました。
 しかし、その後、マスコミから指摘を受けると、表現がまずかった、教育行政全般にわたって公表、非公表だけで判断するわけでなく、どの査定についてもいろんな要素で判断していますから、それと同じこと。要素の中に公表、非公表を入れていくということなどと発言を変遷されました。発言を変遷されるということは、何かしら発言が不適切であったと判断されたからではないですか。それは、地方自治法第二百四十七条第三項の規定でしょうか。それとも別に根拠があるのですか、知事にお示しいただきたいと思います。

地方自治法二百四十七条第三項の不利益な取り扱いを禁止している条項について、議員は大きな誤解があります。その条項は、私、知事は省かれますので、対象除外です。ですから、今回は、二百四十七条三項の不利益禁止には私は当たりません。
 また、その適切か不適切かということですが、表現方法が確かにまずい面があったというだけでありまして、事の本質は全く私は間違っていないと。やはり公表、非公表を含めて、積極的に教育にこれから取り組んでいくと、大阪府教委と一緒に取り組んでいくというところに対しては、総合的な判断のもとで、その予算配分、これは当然どの施策についてもそういうことはあり得るということだと思っています。二百四十七条三項は、繰り返しになりますけども、私には適用はありません。

 知事も、何か錯覚をされているようなところがあるんじゃないかなと思います。
 この確かに二百四十七条の第三項、これは地方自治法百七十二項の規定におきまして、職員というのは行政の長が任免するものであると。したがって、この二百四十七条は、都道府県の職員というのは任命される側の者であって、任命する側の知事ではないという、こういう規定のもとで職員に知事は含まれないという、これが総務省の解釈でございます。
 ところが、ここから先に進むと、どういう展開になるでしょうか。地方自治法第二百五十一条の規定におきまして、総務省は、異議申し立てがあった場合に、自治紛争処理委員会を設置いたします。そして、その事柄を自治紛争処理委員によって判断されます。そのときの対象は、職員なのでしょうか。これは、都道府県にかわります。それは、なぜならば、職員というのは、それだけの権限は与えられていない。種々の関係によって、職務命令なり何なりの意思形成がなされて初めてその行為に及ぶということであって、行為者のその部分については、二百四十七条三項は知事は適用されませんが、あとの紛争処理になりますと、これは知事に該当するという、こういうふうな解釈もあるわけなんです。
 ですから、知事、大きな誤解をされてます。二百四十七条三項は、私には適用ないから関係ない話だと。これを突き詰めれば、知事に行きつくんですよ。そのことを知事は知っておられたんですか。それを今私には関係ないことだと言い切っておられますけれども、どうなんでしょう。どうですか、知事。

その法律解釈、それはそのような議員の解釈であって、地方自治法でなぜ職員という対象になってるかというと、やはりこれは民主的コントロールという観点から、今の不利益取り扱いの禁止というものがあるわけです。私は、政治的責任、選挙の負託を受けて、選挙の洗礼を受けてこの職についてるわけですから、不利益かどうか、そのあたりの判断もすべてこれは最終的には府民が判断をして、だめならだめだというようなことを下されるわけなんです。
 ですから、そこでどういう事情をもって、どういう要素をもって、ありとあらゆる総合判断のもとに予算を編成する、この予算編成権というものは知事だけに与えられた権限なわけですから、私はそこはフリーハンドで、ただしそこは一定の限界がある、その限界は何かといえば、最終的には選挙の洗礼を受けて落とされるということだと思っています。

知事、私の解釈も、確かに最終的に私が解釈いたしました。これは、総務省の行政係の係長と何度ともなくこの解釈について議論をさせていただいた結果なんです。
 途中で知事は、いろいろと議論のすりかえを行われておりますけれども、それだけの権限を持ち合わせてるから、二百四十七条の規定があるんじゃないですか。そのことをもう一度考え直していただきたいと思います。
 今回、知事が用いた--当初ですよ、当初用いた手法は、自分の意にそぐわない態度を表明した団体に対して予算執行を行わないなど、報復も辞さないという強権政治であり、国のやり方や制度に対して物申すという知事の姿勢とは全く裏腹なことを知事は市町村にしようとしたんではないでしょうか。立場変われば何とやら、大阪を変える、国を変えると言っておきながら、その手法を見る限り、国を批判しておきながら、立場変わって自分が権限を行使できる相手に対して、同じような旧態依然たる官僚主義的なやり方は、批判している霞が関も知事も五十歩百歩といったところではないんですか。自分の考えを無理やり押しつけたり、強権的なやり方で、本気で人の心も自治体も変わり、大阪を改革できると思ってるんでしょうか。
 以前にも指摘しましたように、思い込みは思い上がりに変化し、思いやりという政治にとって大切な視点が置き去りにされてるんではないですか。知事が、この現状を何とかしたいという気持ちはわからないでもないです。でも、余りにも早急に結果を出したいと焦り過ぎてるようにも思われます。せいては事をし損じるということわざもあります。自分だけを正当化して聞く耳持たずでは、裸の王様になるんではと危惧さえいたします。ぜひ地方自治法には抵触することのないよう求めておきます。
 最近、特に閣僚の失言、発言の撤回が多く見受けられます。失言、発言の撤回は、政治不信に拍車をかけ、より一層政治離れを引き起こします。今から三十数年前、自由民主党は三角大福中と呼ばれたリーダーたちが、功罪はあるにしても、切磋琢磨されておられました。その中の大は、故大平正芳元首相であります。麻生太郎首相が長年所属されていた宏池会の会長を務められていました。ちなみに、その当時の番頭をされていたのは故鈴木善幸元首相、麻生首相の義父に当たる方であります。
 その大平元首相は、国会答弁において、よく、ああううと言葉を発せられました。そのため、よく政治家の物まねなどで、ああううとやゆされたものであります。大平元首相に極めて近い方から、ああううの話を聞かしていただいたことがあります。国会での答弁は、政治家冥利に尽きるものである。国会での答弁は、極めて影響力が大きく、失言は許されない。そして、国家、国民の利益につながらなければならない。ああううのああで質問者が何を意図してどんな答弁を引き出そうとしているのかを考え、そしてううで答弁を練り発言する。いわゆる時間稼ぎのために発せられていたのであります。まことに味のある、そして重みのある話だと感じました。
 政治不信、政治離れが進む要因の一つとして、政治家の発言が軽いと国民が感じていることが指摘されています。知事は、政治家の最大の仕事はメッセージを発すことだと言っておられます。私も、それを否定はいたしません。知事がいろんな思いでメッセージを発しなければならないと感じ、発していることはわかります。
 しかし、後で釈明しなければならないメッセージやすぐに撤回するようなメッセージ、また人を傷つけるようなメッセージは、政治家のメッセージと言えるのでしょうか。知事には、この点に御留意されまして府政運営されますよう申し上げ、一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。

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