指定管理者選定における内容審査と指定管理料の得点配分について【令和6年9月定例月議会一般質問】
質問1:ウルシハラ
市所管の施設については、指定管理者制度が導入が進められており、先日の議案審議においても、総合文化芸術センターの令和7年4月からの次期指定管理者選定について、議決が行われたところです。
指定管理者の選定については、応募団体の提出する事業計画書の内容審査による得点80点満点と、申請団体から提示された指定管理料の得点化による20点満点の、合計100点満点とする総合評価方式で選定されています。
指定管理者選定における得点配分については、「枚方市指定管理者制度に関する基本指針」において示され、提案内容と、指定管理料による評価の割合については6対4を基本とし、対象となる施設の業務内容が建物の維持管理を基本とするもの、自主的な事業展開を行うものなど、施設によって設置目的や性質等が異なることから、その特性に応じて柔軟に設定し、施設毎の選定委員会で決定するものとしています。 今回の総合文化芸術センターは8対2の割合で選定されていますが、他の施設では6対4のところもあれば、7対3のところもあり、施設によって割合はバラバラみたいですが、何故、総合文化芸術センターは8対2になったのか、お伺いします。
答弁1:富田観光にぎわい部長
今回が2期目の指定管理期間となります、枚方総合文化芸術センターの指定管理の選定につきましては、前回に引き続き、建物の維持管理を中心とした施設ではなく、本市の文化芸術の振興や多彩で魅力的な自主事業の展開をはじめ、枚方市駅周辺における賑わいづくりなどを求めていることから、同施設の指定管理者選定委員会におきまして、そうした提案内容を重視され、8対2の割合で選定されたものでございます。
質問2:ウルシハラ
施設の特性によって、内容審査と価格審査の割合を設定しているとのことで、総合文化芸術センターについて提案内容を重視する選定を行うことは一定理解いたしますが、今回の総合文化芸術センターは提案上限額が他の施設と比べて高額であり、基本とする6:4と8:2とでは、申請時の事業者の提案額に影響し、最終的な指定管理料に大きな差が発生することになるのではないでしょうか。
その影響もあるかもしれませんが、事実、今回、提案上限額に対する落札率もかなり高いものとなりました。指定管理者選定においては提案上限額を公募段階で公表していますが、公表することにより事業者も提案上限額に近い金額を提示してくるように思います。
一方で調査基準価格については非公表としていますが、価格審査では調査基準価格に近い提案額であれば点数が高くなり、提案上限額に近づくほど点数が低くなります。
ということは調査基準価格に近い提案額の方が市として適切ということかと思いますが、なぜ提案上限額は公表し、調査基準価格は非公表としているのか、その理由についてお尋ねいたします。
答弁2:富田観光にぎわい部長
指定管理者制度では、過年度の管理運営費の実績額を基準に、物価、光熱水費、人件費などの動向等を加味いたしまして、算定した額を提案上限額として設定をいたしております。
選定時には上限額を公表し、この範囲内で指定管理料や事業内容について事業者のノウハウや創意工夫を生かした提案を求め、最も評価の高い事業者を選定することで、市民サービスの向上と効率的・効果的な管理運営の実現を目指すものでございます。
一方で、調査基準価格については、その額に近ければ高得点とはなりますが、経費抑制による管理運営の質の低下につながることも危惧されるため、調査基準価格を下回る提案額である場合は適正な業務履行が可能か否かについて指定管理者選定委員会で審査することといたしているものでございます。
このため、提案額の調査基準価格への誘導を防止する観点から、選定時は非公表としているものでございます。
要望:ウルシハラ
上限額と調査基準価格の取り扱いについては分かりましたが、現在の枚方市の財政は決して豊かな状況ではないと思いますので、指定管理料に目を向けることも重要であると考えます。
まず前提として、提案上限額について過年度の管理運営費や新たに追加する費用についても庁内できちんと精査することは当然のことですが、内容審査と価格審査の割合についても6:4を基本とするとしているのですから、例外的に8:2とするのであればしっかりとした根拠に基づき検討していただきたいと思います。
今回指定管理者に選定された事業者は、内容審査69.80点、価格評価が10.44点の合計80.24点です。
今回は申請団体は1団体のみであまり目立ちませんが、仮に調査基準価格で提案した団体があるとします。
内容審査で60点の評価だとすると、合計で80点ですからわずか0.24点足らず、約5億円という提案額が安いにもかわらず管理者に選定されることはありませんでした。
しかし7対3になりますと逆転するわけです。0.24点が5億円の重みを本当に持つのかということであります。
これからも各施設における指定管理者選定委員会が開催されると思いますが、提案重視の傾向にあると思いますので、枚方市の財政状況も鑑み、今後は指定管理料にもしっかり目を向けて、選定してもらうよう強く要望しておきます。